「第61回全日本スキー技術選手権大会」レポート(その5)

決勝(3月9日) 

茨城選手団は3月5日に茨城APを飛び立ったわけだが、実は3月8日の夕方に川﨑さんと小泉さんが駆けつけて合流。心強いお二人を迎えての3月9日となった。 

さて、予選を勝ち抜いた男子117位タイ(121名)、女子60位タイ(62名)が決勝へとコマを進め、そこにKSIA(Korea Ski Instructors Association)の18名のオープン参加が加わる。エキシビション滑走としてKSIA10名、全日本jr上位の滑走、土曜日なので一般観客も増えて大会DJもあり会場が沸き上がる。男子5班の第1走者として我が県の伊藤愼悟選手が果敢に滑走してくる。決勝は1日で4種目をこなすのでタイトなスケジュールだ。ダイナミックコース大回り、タイガーコース小回り、タイガーコース中回り、ダイナミックコース不整地小回りの順番で滑走。身長180cmを超えるガッチリした伊藤選手もさすがに最後の不整地では疲れを隠せなかった。「大会期間を通じて滑りきるフィジカルを鍛えるのも重要だな」と二人で会話を交わした。空を見上げると我々を見守るように「ハロ」が出現していた。 

■FR(前走)/補欠 

・男子 

伊藤 愼悟 決勝4種目のFRを実施→SFへと続く 

 

 

 

SF(3月10日) 

決勝4種目を終えて男子30位(KSIA1名)、女子15位までが更にSFへ出場となる。伊藤選手には事前に「鴨下:もしSFの枠が勝ち取れたらやってみるか!?」の問いに「伊藤:ハイ!」とだけ答えた。そして大変嬉しいことにSFのFR枠も勝ち取ることができた。とは言うものの、帰りのバスと飛行機の時間が迫っているのが気がかりだ。コーチインスペクションでタイガーコース上部から見ると中々の急斜面。前日振った雪はスリップ(デラがけ)ですっかり排雪されて硬く締まったバーンが現れてきた。「これはビブ着けてなかったら思いっきりは行けないなぁ・・・」と一人ごちる。続いてダイナミックコースの不整地のコーチインスペクションに入る。スタート位置も決勝より更にあがりゴールも下がり、なかなかの距離だ。スキーヤーズライトのコブが揃って滑り易そうだ。「鴨下:スキーヤーズライトの方が滑り易そうだな、どうかな」「伊藤:そうですね、でもコブが浅目で動きが出しにくいのでセンター行きます!」「鴨下:マジか・・・」。

彼の強靭な体幹はコブをもろともせずにガンガン攻めてくる。ビデオのズームレバーにも思わず力が入りそうだ。ゴール!!本当にいい滑りだった。彼は予選からSF前半まで実に10種目を滑り抜いた。バスと飛行機の時間が許すならあともう2種目滑って貰いたかった・・・

とにかく最終日のSFまでの滑走、お疲れ様。 

■FR(前走)/補欠 

・男子 

伊藤 愼悟 SF2種目のFRを実施 

 

 

最後に

第61回大会では男女ともに決勝進出を果たすことができませんでした。しかしながら、今回の全日本技術選参加が初めて、あるいは技術選(県予選)への出場が初めてという若い選手の茨城選手団でした。また、SFでのFRを経験するなど大変良い機会になりました。若い選手にとって来年への課題も見つかり収穫多い大会となりました。

茨城県スキー連盟の名誉会長、会長をはじめ役員・スタッフの皆さま、3月8日に途中合流してくださった川﨑仁一理事・教育部専門委員、小泉隆教育部専門委員、遠く茨城からJ SPORTS配信を視聴して応援してくださった皆さまご支援いただきまして誠にありがとうございました。

また、チームに適切なアドバイスをして頂いたコーチ小島技術員、岡野技術員、西田技術員には大変助けられ有難かったです。こうして無事に第61回大会を終えられて安心しました。また来年の第62回大会も会場はルスツでの開催となります。引き続き、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

文責:鴨下 宗弘(監督)

 

鴨下チーム監督、5回にわたる連載ありがとうございました。

全日本に参加している臨場感を味わえた報告でした。

そして、選手の皆さん、スタッフ及び関係者の皆さん、お疲れ様でした。

次回もよろしくお願いします。

(完)